パソコン入替プロジェクト・・・実作業以外の目に見えない心の消費②

「これ使えなくなったんだけど~」
パソコン入替中にひっきりなしに掛かってくる電話。
そりゃ~、パソコン入替しているんだから、完璧な元の状態というわけにはいかない。
とにかくスピード重視で作業をやっているこちらのミスもあるが、半分は、自分でカスタマイズしたり、標準外のサービス利用が使えなくなったという入電だ。
この作業後の電話連絡が、とにかく1番辛かった・・・
そもそも連絡先はLINEと言っているでしょ・・・
はっきり言って・・・パソコン500台入替している最中に、パソコンの問い合わせ窓口なんてやっている余裕はない。
もちろん、遠隔操作できる環境を作っているので、対応できなくはない。
でも対応している間は完全に入替作業の手が止まってしまう。
もう少し言うと、手も止まるが、頭の回転も止まる。
1度電話を受けて対応しようとすると、どこまで作業したか忘れたり、作業漏れ、作業ミスの原因となる。
だから、申し訳ないけど、電話の半分は無視した。
そもそも・・・こうならないように、何か不具合や問い合わせがあるときは、このLINEグループまで連絡ください・・・と予めお願いしている。
そしてその対応は、本部で待機している新人社内SEの切り札の1人に任せている。
ま~100歩譲ってLINEが辛かったら、その新人社内SEに電話してくれてお願いしているのだが・・・
結局、これまで親切に対応してきた数々の実績が仇となり、パソコン入替の真っただ中にいる私達社内SE2名に、電話が掛かってくるのである。
この電話による問い合わせ対応は私達2人の心を消耗させた。
中には申し訳ない対応も・・・
正直に言うと、入替作業は、私達社内SE2人、ギリギリの精神状態でやっていた。
少しでも気を抜けば、少しでも判断を誤れば・・・間に合わないのだ。
500台のパソコンを2か月半以内に入れ替えることが・・・
そもそも無茶なスケジュールでやっている。
私達は追い詰められていた。
電話が掛かってくるたびにイラっとした。
そして、中には申し訳ない対応をしてしまったこともあった。
暗い声で出て、何で電話してくるんだよ・・・という雰囲気を醸し出しまくって。
考えてみれば、これまでできていたことができなくなるって、現場の方にとっては一大事なのだ。
そして、自分では解決できない、でもすぐに解決しないと、結局お客様にご迷惑を掛ける。
だから仕方なく電話してくるのだろう・・・
頭では分かっているんだけど、自分には、掛かってきた電話に温かく寄り添った対応をすることは不可能だった。
実はこれも想定内
もう少し本音を言えば・・・このプロジェクトが決定した時、私達社内SEの評判はこの2か月半で地に落ちるだろうと予想していた。
このプロジェクトは現場目線とか、ITリテラシーの低い人に寄り添った対応とか、そんな綺麗ごとでは決して完遂させることはできないと分かっていたからだ。
そして、この2か月半、自分がどういう精神状態になるのか・・・それは自分が1番よく分かっていた。
きっと、現場の方々にはイラついた冷たい態度を取ってしまうだろう。
これまで積み重ねて来た信頼の貯金は全て使い尽くし、逆に負債を抱えることになるだろう。
致し方ないことだと覚悟していた。
そして、現実に、私の信頼残高は底をついた・・・むしろマイナスになったか。
後悔はない・・・現場の方の信頼はまた一から作り直し
とても頑張って、信頼を失うのは辛い。
ただ、これもしょうがない。
これは、私達2人の社内SEしかできないプロジェクトだった。
私達が手を抜けば、絶対に終わることのないプロジェクトだった。
今回の場合、手を抜くとは、現場の方々に寄り添った、時間を掛けてフォローをすること。
手を抜くっていうのは、時と場合によって、色々なことを意味するのだ。
スピーディーに台数をこなすことが最優先だったこのプロジェクト。
現場の方々の信頼は失墜したが、プロジェクトは完遂。
これが今回の社内SEである私達2人の仕事だった。
そして、これから現場の方の信頼はまた一から作り直すしかないのだ。
まだあった心の消費
ここまででも心身ともに疲弊した私達だが、実はまだ、私達の心に強くダメージを与えることがあった。
この内容の続きはまた明日・・・
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