予想通りの展開

新しい上司は、就任にあたり、私達のやっていることについて、基本はあれこれ言わず、急には色々変えたりしない・・・そんなことを言っていた。

そして私はその言葉が、結果的に嘘になると思っていた。

その考えは正しかった。

黙っていられるわけがない

正直、今の私達の仕事ぶり、今の我が社の仕事ぶりを見ていて、これまで素晴らしい会社に勤め、素晴らしいITリテラシーを持つ集団で勤めていたその上司にとって、入社後すぐに黙っていられなくったのだろう。

次々と提案をし始めた。

あれ?

当初の発言と違うのではないのかな?

そう思うことがほぼ毎日起きている。

まずは見て欲しい、それから色々思うところがあるだろうから提案して欲しい。

そんな感じのことを当初言ったわけだ。

それは、正しいことを言っているからと言って、あまりにも性急に事を進めると、間違いなくぶっ壊れることが分かっていたからだ。

だから、私なりに心配して、助言をしたのだけど、その助言をした際も、結論から話さないと、何を言っているか分からないと、頭から否定された。

そうか・・・やっぱりこういうタイプか。

結論から話せ・・・それは、確かにその通り。

私も反省するところがある。

しかし、せっかくの助言も、これでする気持ちが失せた。

それって、上司にとっては損以外何物でもない。

ま~、そんなことを思いもしないと思うけど。

新しい上司に、何かを進言するというのは、思いの外勇気がいる。

そして言ったそばから頭ごなしに否定する。

しかも本質からずれたことで・・・

それは私にも、そして他の人間にも同じことをするのだろう。

そうなると、損するのは自分自身だということを、きっと分からないのだと思う。

自分の実力にとても自信があるのだろう。

一見、まともなことをずーっと言っている。

しかし、その実、まともなことを、押し付けるわけだから、押し付けられる側はかなりの負担を強いることになる。

その負担を、あまり考えていないのだ。

もう1つ気になることを・・・

そうやって、変化を求めている。

このほうが効率的に行くと、言っている。

それは正論だ。

しかしそこに辿り着く過程においては、莫大な労力を要する。

その労力については、案外無関心なのだ。

こっちには、やらなければいけない仕事がある。

皆にも普段のやらなければならない仕事がある。

その仕事と、効率を求める変革を、一気にやろうとしているのだ。

そりゃ~優秀な人材だから、色々な知識が豊富、経験も豊富なのは確かだ。

提案内容も的を得たものばかりだ。

しかし、それを受け入れられるだけの体制が、我が社には整っていない。

それは、一般社員、上層部はおろか、経営層までもだ。

果たして今後どうなるのか・・・もちろん私も無傷ではいられない。

人材のリソース、リソースと連呼する割には、肝心のその上司からの指示が五月雨式に飛んできて、自分の仕事が滞っているのだから・・・

助言をするつもりはない。

これは、この上司が自ら打開する方法を探すしかないのだ。

私は、言われたことを一生懸命やるのみ・・・もちろん考えながら。

この状況を招いたのは、上司自身なのだ。