社内SEの準備力②・・・とてつもない準備が必要だったIT企業時代

IT企業時代の私はとてつもない劣等生だった。

何せパソコンのことを何も知らずにIT企業に入ってしまったものだから、それはそれは無残な社会人スタートだった。

上司・先輩には怒られ、あきれられ、同期には同情され・・・

あらゆるマイナスの感情を日々受け続けた。

ただ、この最低最悪の社会人スタートを切ったことこそが、今の自分の様々な仕事に関する軸になっていることは間違いない。

準備しないとついていけない

様々な仕事の軸になっていることのひとつが、準備に対する意識だ。

例えば、お客様の会社でパソコンの入替作業をするとする。

作業はお客様の会社で行うわけだが、そこに辿り着くまではあらゆる準備をして臨む。

可能な限り、納品するパソコンを社内で設定することはもちろん、お客様の会社で行う作業の手順をチェックシートにまとめる。当然、そのチェックシートを作るために、シミュレーションを最低でも3回は行う。

作業当日の前には、納品先の担当者の方に連絡を入れ、どれくらいの時間が掛かるかのご連絡や、作業完了後のチェックのお願い、果ては駐車場の場所の確認まで行う。

また、設定するアプリケーションによっては、いざと言う時のために、作業当日そのアプリケーションのメーカーに連絡がつくように準備しておく。

それらの準備を行った上で、復習とも言える作業を、お客様の環境で行うのみ・・・

でもここまでの準備をしても、想定外のトラブルはしょっちゅう起こり、先輩SEに助けを求めることもしょっちゅうだった。

もちろん、先輩SEには自分はこの日納品作業があるので、いざと言う時助けてください・・・という保険も掛けておくわけだが。

あらゆる準備をしても、トラブルを引き起こす自分の才能には、感動さえ覚えるが、それでも自分にとって、準備していたからこの程度で済んだ・・・と思うことがしょっちゅうだった。

自分にとっては、準備とは仕事の8割を占めるものだと、しみじみ感じていたものだ。

お客様の会社でパソコン設定を行って、会社に22時に帰ってきて、翌日の別のお客様の納品作業の準備をする・・・そんなことをしょっちゅうやっていたのも、今となってはいい思い出だし、現在の自分の血肉となっている経験である。

そして今、現在

社内SEとなり、自分の力の80%を出せればこなせる仕事が多くなった現在も、相変わらず準備は大切にしている。

いつまでにどうなっていればよいかを確認し、それに向けてシミュレーションをする。

必要な機材、人間の調整、チェックシート・・・etc

様々な準備をして本番に臨むのは、今では自分にとってルーティンだ。

それでも上手くいかないこともあるが、今では準備することで、自分のビジネススキルが磨かれていることを日々感じている。

準備をしないと、本番が上手くいったとしても、上手く行かなかったとしても、ビジネススキルはほとんど向上しないのである・・・少なくとも私にとっては。

だから、社内SEとなった今でも、誰よりも準備をしているのである。