経営陣と現場の仲介者③

前回の続き・・・

仲介者は、経営陣の抽象度の高い話しについて行き、それを現場の方々に分かり易く説明することが、求められるというお話しをした。

では、仲介者の言葉を、現場の方々に受け取ってもらうためには、仲介者はどんな努力をしなければならないのか・・・

それは、仲介者との話しが面白いと思ってもらうこと、現場の方々の心の声に耳を傾けること、この2点が重要なことだ。

仲介者との話しが面白いと思ってもらうこと

何はともあれ、現場の方々に伝えたい内容があるわけだが、当然、仲介者は現場の方々に、経営陣が目指していることを説明しなきゃならない。

しかしその目的は、現場の方々に経営陣の思惑を腹落ちしてもらって、実際の業務に落とし込んでもらうこと。

それには現場の方々が分かり易い丁寧な説明、現場の方々のメリット・・・それらを話す必要があるが、何より大事なのは、この仲介者との話は面白いから聞いてやろう・・・と日頃からそんな対話をし続けていることだ。

普段から、何気ないやり取りの中で、関係性を築き、また、この仲介者と話すとストレスが軽減されるとか、言いたいことが言えるとか、モヤモヤがリセットされるとか・・・何らかのメリットがないと、現場の方々は仲介者の話しも聞いてくれない。

だから、現場の方々が、気持ち良くなるような話題、話し方、聞き方を普段から徹底しておいて、いざ、何かをお願いした時に、話しを聞いてもらえるような、道慣らしをしておくことが重要だ。

案外、いきなり本題に入って、こいつ何言ってんだ?・・・と心の中で思われていることが少なくない。

仲介者の目的は、経営陣の意思を現場に落とし込むこと。

そして仲介者は経営陣のように権力を振り回して、言い聞かせようとすると、必ず、会社は壊れる。

そのことを意識する必要があるのだ。

現場の方々の声に耳を傾けること

はっきり言うと、経営陣が考えたことは、現場の方々にとっては、面倒な作業だ。

特に我が社の場合、ほぼ100%の確率で、仕事が増える内容だ。

※かといって、この仕事を減らしても良いという引き算はない。

だから、この話を伝えると、現場の方々からは、この件に関係のないことまで不満が噴出する。

それを、どこまで受け止められるか・・・はい、おっしゃる通りです・・・と何も反論せずに聞き続けることができるかどうか・・・そこに、現場の方々に動いていただける鍵がある。

現場の方々だって、薄々気付いているのだ、経営陣がやれと言ったら、やらなければならないことを・・・

でもやり方が分からない、間違いなく辛くなる・・・そういった、ネガティブな経験を積み重ねているからこそ、この手の話しには拒否反応を起こす。

結果として、文句、不満、ストレスが発生するわけだが、それを受けてくれる対象が、仲介者というわけだ。

仲介者は、うなずいて、共感して聞き続けるしかない。

そして、最終的に、ま~しょうがないよね・・・という話になって、業務に落とし込んでくれる。

そんな、フェーズが必要なのだ。

少なくとも我が社には・・・

それは、一般的に見れば無駄なのかもしれないけれど、そのフェーズを経ることによって、結局会社が回っている・・・今のところ我が社にとっては必要不可欠なフェーズなのだ。