情報システム部門に新しく入った人材の育て方③・・・修羅場の経験

情報システム部門に新しく入った新人部下の育て方3つ目は、修羅場を経験させること・・・

修羅場というのはいくつもあるが、共通して言えることは、ひと言でいうと、極限状態に追い詰められるということだ。

逆に極限状態に追い詰められれば何でもいいというとこなのだが・・・

それはなぜか・・・

極限状態に追い詰められら人間は・・・

人間、極限状態に陥ると、多くの場合、冷静な判断能力を奪われることになる。

普段は冷静沈着に対応している人間も、想定外の出来事が発生すると、落ち着いているようで、後から考えるとトンチンカンな判断をしていることがある。

そして、その判断によって周囲の評価を下げたり、トラウマを抱えたり・・・

かなりの傷をおうことになる。

ただ、これはIT業界やエンドユーザーとは情報システム部門に所属している以上、絶対に経験しておいたほうがいい。

なぜなら、極限状態に追い詰められるということ・・・すなわち修羅場に直面することは、必ず経験することになるからだ。

例えば・・・

〇明日が期限のプロジェクト(徹夜しても間に合うのか?)

〇大規模障害ですぐに復旧しなくてはいけないのに、復旧方法が分からない

〇大規模データの焼失

・・・etc

もちろん起こって欲しくないものばかりだが、こればっかりは人間の運用が関わっている以上、必ず起きてしまうものだ。

最近話題になったのは、社内でクラスターが発生したらどうなるのか・・・だった。

もし、情報システム部門のメンバー1人だけ社内にいる状態、他のメンバーは休みだったりテレワークだった場合・・・1人残された情報システム部門のメンバーが全てを行わなければならない。

こんなこと、新人の私にはできないと思います・・・なんてことを言われた。

そりゃ~不安だろうな~

実際、クラスターが発生したら、どんな状況になるか、情報システム部門と言えば、無数にやることがあるから、どうすればいいか、確かによく分からない。

ましてや、情報システム部門に配属されて日の浅いメンバーであれば、そんな不安を抱えるのも無理はないだろう。

修羅場を経験しておくメリット

例えば、IT業界、社内SEに転職するとして、修羅場を経験したことのある人、修羅場を経験したことのない人・・・スキルが同じだったらどちらを採用するか?

絶対に修羅場を経験したことのある人が採用されるだろう。

それくらいITの世界で修羅場を経験するということは重要なことなのだ。

そのメリットは大きく2つ・・・

〇修羅場を経験することによって、自分自身がどういう精神状態に追い込まれるのか、どんな行動を取るのかを自分自身で確認することができる

〇修羅場を経験することによって、自分にはこんなスキルが必要なんだ、こんな準備が日頃から必要なんだと、認識できるチャンスとなること

・・・少なくともこの2つを知るには、修羅場を経験しなくてはいけない。

そして、この2つは日常の通常業務では決して知ることのできない、まさにスペシャルシチュエーションでしか確認することのできないものなのである。

ただ、修羅場が発生したらこの2つを習得できるチャンスだと思えるかどうか・・・

この知識があるかどうかで、修羅場の迎え方が変わってくる。

修羅場は成長のチャンス

修羅場というのは誰でも嫌なものである。

いや、変わった人は、修羅場で逆に燃えてくる・・・なんて人もいなくはないだろうが。

事実、修羅場に追い込まれることによって、120%の力を発揮してくる人だって世の中にはいるだろう。

ただ、私みたいな小心者は、修羅場なんて経験したくないし、修羅場が発生したら、心に深いダメージをおうことになる。

でももし、修羅場をうまく利用すれば成長できるチャンスだよ・・・と予め分かっていれば、少しでも修羅場をポジティブに捉えることができる。

新人部下にこの境地に至らせることはかなり難しいことだが、言葉だけでも、知識だけでもこの修羅場というものの必要性を教えてあげれればと思う。