スキルと人間力はワンセット②

前回の続き・・・

スキルと人間力はワンセットにしないと、スキルが高い人間ほど損をする・・・という話をした。

今回は2例目・・・

経営のことばかり勉強している経営者

はっきり言って、経営のことを勉強していれば、社員を大切にしなさい・・・という話は山ほど出て来るはずなのだ。それを、経営者が実践できていないケースが多い。

我が社の経営陣は、とても勉強家・・・

世の中の流れについて行こうと必死で勉強している。

能力的には他の社員とはさほど差を感じないのに、とてつもない努力の結果、いつの間にやらとてつもなく頭の回転の早い、インプット・アウトプットが優れている人材となった。

そして、こう思う。

人間の勉強をしながら、この高みには達することができなかったのだろう・・・と。

自分が持っているあらゆる力を、経営の勉強というものに投下した。

結果、勉強で身に付けられるものはあっという間に身に付けることができた

普通の人材が一生かけても辿り着けない境地に10年ほどで辿り着いてしまった。

それだけ、様々なものを犠牲にして辿り着いた境地・・・

だからこそ、人間の勉強をしている余裕はなかったのだろう。

人間の勉強や関係性を作り上げるということは、一見して無駄な、回り道の作業が多い。

雑談や心のケアー、そんなことを繰り返しながら関係性を築いていく。

これを覚えたから使いこなせる・・・という、いわゆる机の上の勉強で得られるものとは、真逆のものだ。

もしこの人間の勉強を、”しながら”他の経営の勉強をしていたら、この短期間でこの高みまでは辿り着けなかったのであろう。

だから、とてつもない経営的感覚は身に付けた一方で、今度は人間としてのスキルが著しく低い経営者が出来上がってしまった。

前回も話したが、スキルと人間力はワンセット。

特に人間力のほうが欠けてしまっては、相手に不快感を与える影響が高くなる。

ましてや、IT人材とは違い、経営陣だ。

一般社員に与える影響も桁違いに大きい。

だからこの影響を考えると、人間力を学ばずに経営の勉強ばかりしてきた経営陣は危険なのだ。

経営陣は言う・・・大事なのはヒトだと。

頭では分かっているし、勉強もしていきている。

でもそれについてはリテラシーが低いのだ。

人間力を自由自在に使いこなす能力・・・

これを身に付けるまで、今の経営陣はあと何年かかるのか・・・

その年数によって決まるのだ。

脱落する社員の人数が・・・

今の我が社は危険な状態だ。

今からでは遅すぎるかもしれないが、経営陣の人間の勉強の必要性に気づくことを、願うばかりである。

・・・どうしても、他力になってしまうが、こと経営陣の問題だ。

どうしようもない。

この会社を選んだのは、自分自身なのだ。

最終責任は自分が取らなければならない。