部下が辞めたいと言ってきたとき

中間管理職になってから、部下ができたのはここ3~4年の話し。

それまでは、自分1人でプレイングで情報システム部門にいたから、マネージメントを始めたのも、ここ数年のことだ。

マネージャーデビューは一般的に見ても、遅いほうの部類だと思う。

これまで部下の人数、そのものが少なかったし、みんな大変だけど、チームワーク良く、誰かが辞めるなんてこと、考えもしなかった。

ただ、ある日突然言われるのだ・・・いつ辞めるかを考えていると。

何と言えばいいのだろう・・・

今のメンバーに、辞めますと言われた時、相反する本音が2つ出てくるだろう。

この部署からあなたが抜けたら立ち行かなくなるから、辞めないで欲しい。

これが1つ。

そして、もう1つ、

あなたの人生なのだから、あなたの思うようにすればいい・・・

どっちも本音だ。

残される者たちのこと、自分のことを中心に考えれば、残って欲しいと思うし、辞めたいと言ってきた人間のことを考えれば、自分の思うように生きて欲しいとも思う。

どっちも、今の自分の逸話ざる本音だ。

この部署からあなたが抜けたら立ち行かなくなるから、辞めないで欲しい

本音を言うべきかどうか、迷うところだが、この通りには言わないほうがいいような気がする。

ただ、あなたはこの部署にとって必要な人材だと、そのことは伝えてもよいかもしれない。

そして、それを伝えるのは、別に辞めないで欲しいということを伝えるためではなく、どちらかというと、あなたは、必要とされている・・・ということを伝えたいだけ。

そもそも、辞めるという発言をした時点で、止めることはしないほうがよいと思う。

確かにそれによって、部署は窮地に陥ることになるだろう。

ただ、誰かがいなくなったとしても、会社組織が動かなくなるわけではない。

ダメージを受けながらも、立て直しを図り、3か月ほどすれば、元の動きに戻ることになるだろう。

もちろん、業務を減らす、工夫するなどの、努力は必要だが・・・

あなたの人生なのだから、あなたの思うようにすればいい・・・

結局、この言葉が1番いいのかと思う。

1度辞めると言った人間は、そこで会社を辞めないと、どんどん会社に居づらくなる。

色々な意見があると思うし、出戻りなんて言葉もある。

ただ、1度この会社にいたくないと言った人間の言葉を、周囲は忘れないし、今後、そういう目で見ることになる。

だから、会社を辞めますと言ったら、その言葉はそのまま受け取るのが1番よいのだろう。

変に引き留めるなんてことをして、例えばその人がやっぱりその会社に残りますとなった時、数年後、本当にその人にとって良い決断だったのかどうかなんて、分かりっこない。

そうであるならば、老いる前に今よりもっと良い環境を目指し、自分の可能性を信じて転職するのも決断の1つだろう。

部署内の準備は必要

辞めたいなら辞めてもいい。

ただ、そうは言っても部署内での準備は必要だ。

誰かが急にいなくなった時、今の部署の運営の仕方では、きっと辞める以外のメンバーに大きなダメージを残すことになる。

もしかすると、3か月という軌道に乗るまでの期間を、無傷で乗り切ることができないかもしれない。

取り返しのつくダメージなら成長につながるが、取り返しのつかないダメージであるならば、それは管理職として回避しなくてはいけない。

今、メンバー同士、誰が欠けても立ち行かなくなる危うい状況にある。

だから、今のうちに準備しておかなければいけない。

この人がいなくなったらどうするか・・・

業務負担を減らしてもらうよう、直訴するのも1つの手段だろう。

スキルアップをしたり、システム化を考え、人数減の機会を利用して、投資する機会にしてしまうのも1つだろう。

誰かが辞めたときに考えるのではなく、その前から、この人が辞めたらどうなるか・・・ということを考えながら、毎日を過ごす必要がある。

ずっとこのままの体制で行けるはずもないのだから・・・