社内SEの苦悩・・・ITスキルは権限を超える

「ね~ね~、これちょっとやってくれない?」

社内SEになってから、時々(というかしょっちゅう)言われることなのだが、部長に呼ばれて席に行ってみると・・・

部長がやらなければならない作業がある。

ところがその作業、ITスキルがほんの少し必要である。

それ故、どうやって作業すればよいか部長自身よく分からない。

そこでパソコンに詳しい、

「社内SE君、ちょっと来たまえ」

ということになる。

ITスキルと権限はどっちが上?

ところで・・・

当然の話しなのだが、

”作業ができる

ということと、

”作業をしてもよい”

ということは、全くもって別の話しである。

本来であれば、部長自身が死に物狂いでITの勉強をして(というか、マニュアルで操作方法を確認して)、何としてでも自分自身の力でやらなければならないことである。

しかし部長は部長で、もっと別の場所で、絶対に負けられない戦いに明け暮れている。

※会議とか、会議とか・・・それから会議とか

そう、部長にはITの勉強時間なんて、ほとんどないのだ(ま~時間はあっても、心に余裕がない)。

だから、

「これよく分からないから、社内SE君、代わりにやっといて~」

・・・となるのも、ある意味、致し方ないことなのである。

一方、社内SEの私が思うこと

ただ、一方の社内SEの私はというと・・・

部長を始めとする上の人が取り扱うデータは私にとってリスキーなデータであることがほとんどだ。

人事・給与・メール、etc・・・

ま~はっきり言うと、見たくもないデータの塊だ。

そしてここで把握してしまった情報は、たいていの場合、墓場まで持って行かなきゃならない。

こんな情報、元々知らなきゃ、漏洩リスク”ゼロ”だ。

どんなに私の口が軽かったとしても・・・

一方、こんな情報を知ってしまったが故に、当然情報漏洩のリスクが発生する。

どんなに私の口が堅かったとしても・・・

ましてや私の口はそれほど堅くない自信がある。

だから、こんなリスク、正直しょい込みたくないのだ。

■社内SEの私は嘘をつく

人事の季節になると、社内SEの私に一般社員の方から声を掛けられることがある。

「ね~ね~、今度の人事で俺、動く?なんか情報知らない?」

こんな質問を受けたとき、私は決まってこう答える。

「いや~、私のところにはなぜか全く情報が入ってこないんですよ~。そもそも私、全くアンテナ張ってないので~」

真っ赤な嘘である。

知りたくもない情報を知ってしまう立場にあるのだから・・・

世の中に必要な嘘と言うのは、絶対に存在するのである。

社内SEの自分自身を守るために・・・