便利屋になることを正しく恐れること③・・・例:ITスキルを軸にした便利屋

昨日の続き、そもそも便利屋のメリット、デメリットは何なのだろう?
例えばITスキルが高い人材が、ITスキルを軸に便利屋になるとどんなことが起こるのだろう?
そんなことを中心にして今日はお話しする。
便利屋であることのメリット
新人や中途、新しい環境に来た瞬間にこれらのことを考えられるかどうかはおいておいて、戦略的に便利屋になると意識すれば、やはりメリットはある。
〇仕事の幅は広がる
〇情報は集まりやすくなる
〇基礎体力が身に付く
〇周囲からの信頼が上がりやすくなる
・・・etc
ひとつひとつ解説していく。
〇仕事の幅は広がる
とにかく、ITリテラシーの低い周囲の社員からは、色々なITツールの利用の仕方、ITツールの障害関連で頼られることになるだろう。今の社内は、ITスキルがある程度確保されていることが前提で、色々な業務が行われているから、様々な業務のフォローをすることになる。
結果、様々な業務について触れることとなり、ITリテラシーの低い人材より総じて、仕事の幅は広がることになる。
ひとつの仕事を突き詰めていく職人タイプももちろん必要だが、まずは仕事を広く浅く知ることで、自分は何が得意なのか、極めるべきなのかを、広い選択肢を作ることができる。
また、仕事の幅を広げることは、後々、以外な場面でつながり役に立つことが多い。
〇情報は集まりやすくなる
これも当然、ITリテラシーが高いと、今の自分の立場では知りえない情報も、入ってくることになる。
例えばITリテラシーの低い上司のフォローをすることになれば、対応するために、上司が困っている情報を知らなくてはいけない。その情報は通常の一般社員が知る由もない情報であることが結構ある。
それらも含め、ITスキルを軸に、周囲のフォローをし続けていると、自然と情報が集まり、結果、その集まった情報をもとに、自分が有利に動いたり、または、その情報を組み合わせることにより、自分独自の価値を生み出すことができる可能性が高まる。
〇基礎体力が身に付く
ITリテラシーが高いと様々な業務をフォローすることになる。自分に与えられた業務以外にも、プラスαで作業を行うため、自然と業務量は多くなる。知識、経験がどんどん増えて行き、結果として、仕事に必要な基礎体力が身に付いて行く。
基礎体力は出来る限り若いうちに身に付けておくべきなので、ITスキルが高いということを利用して、人から頼られやすい状況を作り出し、何でもかんでも便利屋として受けていれば、自然と基礎体力は身について行くだろう。
〇周囲からの信頼が上がりやすくなる
困った時に声を掛けやすい存在がいてくれたら、周囲から信頼されやすくなるだろう。
ITについて頼れる存在はかなり重宝したくなる。
結果として、後々の自分を助けることになる、人脈形成に役立つだろう。
便利屋であることのデメリットとは
一方、デメリットだって存在する。
〇自分の時間がなくなる
〇他人の評価につながることを自分がやらなければいけない
〇利用されるだけされて、使い潰されることがでてくる
・・・etc
〇自分の時間がなくなる
当然、自分の業務は持っている。そして他人に便利屋としてフォローを求められる。結局自分の業務を行う時間がどんどん少なくなる。
これは当たり前の話しだ。便利屋として動く以上、仕事が1+αになるから、この”α”の部分がどうしたって時間が掛かる。更にITの問題を解決するのって、簡単なものは即完了するが、調査や確認が必要となると案外時間が掛かるものだ。その部分まで対応しなくてはいけなくなると、かなりの時間を要することになる。
〇他人の評価につながることを自分がやらなければいけない
ITについて分からないことを教えて・・・と言われ、教えて課題・問題が解決したとする。
結果、その人の仕事が上手く行った・・・でもフォローしてあげた人が、この人にITのことフォローしてもらったからうまく行ったんだ・・・ここまで言える人はなかなかいない。
結果、自分に手柄が来ることはほぼないし、上から直接評価されることは少ない。
こればっかりは、フォローしたからすぐに自分の評価が高まるわけではなく、フォローし続けているうちに徐々に知名度が上がって行く・・・という感じだ。
〇利用されるだけされて、使い潰されることがでてくる
まさに便利屋で1番うまく立ち回らなくてはいけないのがこれ。
こいつは使える存在だ・・・と認識すると、徹底的に使い潰す人間が現れる。
こっちの都合などお構いなし、自分さえよければそれでいい。
そして、使い潰して、駄目になってしまったら、また代わりの使える存在を探す。
こういうテイカーには、意識して気を付ける必要がある。
結局便利屋とは考え方次第
結局便利屋とは考え方次第だ。
自分の経験値を高めること、周囲からの信頼を得やすくする場面はどうしたって必要で、そのタイミングでは便利屋になることだって必要だろう。
逆に、自分の時間をしっかり確保し、成果をあげなくてはいけない状況であれば、便利屋なんてやっている時間はない。その時は信頼残高を切り崩してでも、お断りすることが必要になるだろう。
結局便利屋とは、いい、悪いの2択ではない。
その時の自分の周囲の状況に合わせて、自分自身でコントロールしていくことが必要なのだ。
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