会社全体のITリテラシーを底上げするには①・・・10年前と今の現状のおさらい

情報システム部門に所属している私のここ数年の課題・・・

社員のITリテラシーをどうやって底上げすればいいのだろう?

ずっとこの問題を抱えているが、どうしてもこれといった解決方法がない。

緊急ではないが重要・・・いや緊急かつ重要な課題となりつつある。

なぜこんな事態に陥っているのか・・・

10年前の情報システム部門

今から、10年前の我が社の情報システム部門は、はっきり言って、楽だった。

いや、もちろん当時は辛かったのだが、今現在の状況を考えれば、相対的に見て楽だったと言わざるを得ない。

それはなぜか・・・

簡単に言うと、ITで解決する問題が少なかった。

パソコンが社員1人1台に近づいてきてはいたが、何をやるにしてもITで解決・・・というわけではなかった。

携帯電話もガラケーだし、勤怠は打刻だし、デジタルマーケティングなんて言葉もなかったし・・・

今思えば、社内SEとしていったい何が忙しかったんだろう?と本気で思ってしまう。

だからその当時、私が全力を出せば、この会社のITに関しては問題ないと思っていた。

他の社員の方々はお金を稼いでもらったり、経理・総務は裏方に徹してもらったり・・・

ITに関して勉強する暇があったら、その分自分の専門分野に注力して欲しい・・・というのが私の願いだった。

ただその考えが、徐々に間違いだということに気付いてくる。

そう、時代が徐々に変わってきたのだ。

何でもかんでもITで解決する世の中に・・・

ターニングポイントは?

いつ頃からだろう・・・情報システム部門を1人で切り盛りすることが不可能だと思い始めたのは・・・

あきらかなターニングポイントとしては、2016年頃に会社にスマホが導入された辺りからだ。

携帯電話と言えばそれまでガラケー。

携帯電話なんてものは電話とメールで十分。

お客様とは電話で話し、どうしても電話で話せない時だけメールを送る・・・営業の方々はそんなコミュニケーションを続けていた。

経営者層の判断で、ガラケーからスマホに切り替わるときは、随分反発もあった。

俺はガラケーで十分だ!

スマホなんて分からない!

間違って発信しちまったぞ!

こんな、不平不満の声を毎日聞き続けた。

何せ、こっちは情報システム部門。どちらかというと、私達はガラケーからスマホへの切り替えを、”した側”の人間だ。

不平不満の宛先になるのも否めない。

ただ、私はこう思っていた。

”スマホにしたくねー!!”

あきらかに、スマホにしたら、こっちの負担は重くなる。

でも分からないことがあれば、間違いなくこっちに連絡が来る。

だから、本当はこのITリテラシーの低い社員のためにも、スマホにはしたくないと心底思った。

ただ・・・時代の流れを先読みする経営者層の考えは正しかった。

あの時に、またガラケーに機種変をしていたら、きっと我が社のデジタルトランスフォーメーションは3年は遅れていただろう。

スマホでできてしまうことが劇的に増えてしまった

社員にスマホを持たせることにより、スマホを利用したビジネスツールが爆発的に増えた。

これまで電話とメールのみの利用だった携帯電話の役割が、LINEによるコミュニケーションを始め、動画、ネット、写真、勤怠、etc

様々な課題を解決するツールとなってしまった。

問題は、その様々な課題解決ツールに、ITリテラシーの低い社員が、いちいち躓くようになってしまったこと・・・

そう、新しい時代の神器を手に入れただけで、それを使いこなせなければ意味がない。

私達情報システム部門は、社員のITリテラシーをどのように上げて行けばいいのか、この課題に直面することになる。