情報システム部門は人が足りない?②・・・人材育成の課題、問題、困ること

昨日の続き・・・

情報システム部門である一定期間、面倒を見て、様々なITに触れさせることにより、ITリテラシーを上げ、その後、他部署・事業所へ放出する。

今や、ITリテラシーの高い人材はどこの部署、事業所でも喉から手が出るほど欲しい人材だ。

※もちろん、それに伴うコミュニケーション能力、人間力も必要だが・・・

ただ、この方法にももちろん問題や課題はある。

育成できるのはせいぜい1人、多くても2人まで・・・

ITリテラシーを上げる・・・ひと言で言っても方法は様々だが、一般的なIT業界でのITリテラシーの上げ方と違うのは、会社にあった、IT人材を育てるということだ。

ただただ、ITが詳しい人・・・という人材を育てればいいかというと、そういうわけではない。

当然、自分の会社で使っているシステム、IT機器、ネットワーク・・・そういった、自分の会社に特化した、ITリテラシーを上げて行かなければならない。

また、基本的には、現在これらのITツールを利用している一般ユーザーをフォローできるようになることが目的なので、ITリテラシー、人間力、一般社員1人1人のITリテラシーや性格の把握・・・と言った、通常のIT業界で行われる教育とは被るところはあれ、ずれるところが結構ある。

そのためこればっかりは、自前でちゃんと育てて、やがて自走していく人材にしていかなくてはいけない。

だから、ちゃんと育てなくてはいけないし、その成長の機会を作り出してやらなければいけないため、いっぺんに育てようと思っても無理だ。

せいぜい1人ずつ、最大でも2人まで・・・

今のうちの情報システム部門の余力からいって、これ以上いっぺんに教育しようとすると、現存の情報システム部門メンバーが倒れることになる。

そもそも教育というのは、難しい作業なのだ。

それに、会社は学校じゃない。

教育のスペシャリストなんて元々存在しないのだ。

それでも、いずれ自分達が楽になるために、会社全体のITリテラシーを向上させるために、最低限の教育は、その部署の人間が、自分の時間を削って行わなくてはいけない。

困ること・・・そして解決方法

これは、今現在は起こっていないことなのだが・・・

将来もし、このプロジェクトが走り始めたとき、こんなことが起こったら嫌だな~と思うことがある。

①どんなに教育しても、育たない

②教育完了して、他部署・事業所に放出した後、辞めてしまい、教育した期間・労力が無駄になる

③他部署・事業所に放出した後、ITリテラシーが高く便利なもんだから、周りからチヤホヤされて、天狗になり、嫌な奴になって、結局周囲からの信頼を失う・・・

・・・何も始まっていないのに、なぜかこんな嫌なこと、困った未来がイメージできてしまう。

それくらい、教育した人間が、自分の思った通りの成長を遂げたり、裏切られたり、周囲のチームワークを乱したり・・・そんな状況になるのは私にとって嫌なのだ。

では教育した人間がこんな状況に陥ったら、どうするか・・・

①どんなに教育しても、育たない

これは・・・時間が許されるのであれば、時間を掛けて焦らずゆっくり育てるしかない。

ITができない人間は、何が分からないのか分からないのだ。こればっかりは、これまで生きて来た人生の積み重ねがものをいう。ITに関して何らかの積み重ねのある人間、他の経験とITをリンクして考えられる人間は、成長は早いだろうが、そもそもの積み重ねがない人間は、ここからがスタートで、積み重ねの始まりなのだ。

1日8時間、1年~2年の月日を積み重ねる必要がある。

そしてこれは、私自身の経験からだ(IT企業時代の私がまさにこれ・・・)

②教育完了して、他部署・事業所に放出した後、辞めてしまい、教育した期間・労力が無駄になる

これが現実に起こったら、自分は立ち直れないかもしれない。

何せ、こっちの苦労が水の泡だ。恐らく想像を絶するほどのショックを情報システム部門のメンバーは受けるだろう。私達の時間と労力を返してくれ・・・そんな思いも出て来るだろう。

・・・しかし、何人も育てていけば、こんな人材も出て来るだろう。

だからせめて、こんな事態が起こるかもしれないという、心の準備だけはしておかなくてはいけない。

その準備が、ショックを少しでも和らげることになる。

③他部署・事業所に放出した後、ITリテラシーが高く便利なもんだから、周りからチヤホヤされて、天狗になり、嫌な奴になって、結局周囲からの信頼を失う・・・

これがまさに落とし穴・・・

ITリテラシーが高いと何かと頼りにさせる場面が増えて来る。

そして・・・間違った方向に進むと勘違いが始まる人間が出て来る。

自分はすごい、自分は周りに必要とされている、自分がいなきゃ、この部署・事業所は成り立たない・・・と。

これに関しては、放出が決まった段階で私の手元を離れることになるから、再教育は不可能だ。

このことについては、情報システム部門の教育中に教え続ける必要がある。

ITリテラシーが高くて、嫌な奴なんて、エンドユーザーの組織には不要であるということを・・・

チームワークの輪を乱し、そんな噂が社内に広まった瞬間、その人材はあっという間に、望まぬ異動が発動される。

そして、その状況になって初めて自分の置かれていた状況に気づいたとしても、遅すぎるのだ。

だから、情報システム部門にいるうちに教えて上げなくてはいけない。

ITリテラシーが高いということは、それ相応の人間力と合わさって、初めて必要とされる人材になるのだと・・・

これからの我が社にはIT人材は必要

どちらにしても、これからの我が社にはIT人材は必要不可欠。

他部署、事業所に私達情報部門が”1”を言うと”7~8”まで理解してくれて、その上で、高い人間力を持ってそのチームに展開する・・・そんな人材を、私達は育てていく必要がある。

その必要性を、会社には訴えていかなければならない。

そして、もし情報システム部門に教育を求められた人材は、自分たちの時間・労力を割いて教育していかなくてはいけない。

それがこれからの情報システム部門の新たな仕事となるのだ。