経営者層からの指示とは②・・・部下のテスト

昨日も話したが経営者層からの指示とは時として曖昧だったり雑だったり・・・
多くの社員にとってその指示とは混乱のもとになることがある。
経営者層は何を考えて指示しているのか・・・それを深堀すると見えてくるものがある。
確かに余裕はない・・・ただそれだけでもない
経営者層は、自分の部下たちに、1から10まで自分で説明することはほぼない。
・・・というより、そんなに手取り足取り部下に教えることのできる経営者層がいたとしたら、その会社は逆に危ねーんじゃねーかと思ってしまう。
それくらい、今の時代の経営者層達には、時間がないのだ。
そのため経営者層は、自分の側近には”1”説明すれば後は勝手に自走して、”7~8”まで作り上げ、最後の仕上げの際に自ら経営者層に端的に分かり易く説明をして判断を求める・・・そんな人材を求めている。
ただ、そんな人材、お手軽に見つかるわけがない。
そんな都合のいい人材、市場から持ってこようとすれば莫大な費用と人件費が掛かるだろうし、何より支払ったところで、今の会社に適合した動きをしてくれるとは限らない。
だから経営者層は自分の手足となる人材を、常に社内で探している。
ただ見つけれなければどうすればいいのか・・・そう育てるしかないのだ、経営者自身が。
もちろん2人か3人手塩を掛けて育てたら、その育てた人材が自分の手足となり、他の人材を勝手に育成してくれるのが理想だ。
だから、経営者は、機会がある度に、いろんな部署の人間に曖昧な指示を出す。
そしてその指示から、どんな動きをするか、自走して勝手に成果を出すところまで持ってくるのか、それとも最初からきっちりした指示じゃないからと逃げ出したり投げ出したりするのか・・・その辺りを見極めているのだと思う。
実は無茶振りだと経営者自身も分かっている
以前にも話したが、実際のところ、経営者層の上司から、こりゃ~無理だと思われる指示を受けたことは数えきれない。
ただ実際のところ、普通に今までの経験則から考えると無理というだけで、じゃ~どうすればいいのか・・・と自分達で考え、みんなの力を合わせれば何とかなるというケースがある。
そしてチャレンジすれば、例え失敗したとしても、それほど怒られたりはせず、代替案など提示すれば、ありがとう、お疲れ様・・・と言ってくれることが多い。
結局、無茶と思われる指示も、とりあえずやってみようと思い行動することで、成功しても失敗しても成長の機会にはつながるのだ。
大局的に見れば、経営者層の指示を素直に受けるということは、ノーリスクで成長できる機会なのだ。
でも、他の社員の多くは、
失敗したらどうしよう・・・とか
指示が明確じゃない・・・とか
これまでやったこがないからできない、分からない・・・とか
そんな言い訳をして、まずはやってみようという気になっていないのだ。
そしてその姿を、案外経営者層の人達は、ちゃんと見ているのだ。
部下への指示はある意味テスト
できる問題ばかりのテストがあったとしたら、それは何の意味もないものだ。
それは自分自身の成長につながらないものだから。
経営者層は自分の部下に、簡単な指示を出すことはあっても、出し続けることはない。
きっと、数ある指示の中にはテストやお試しといった、その部下が成長するための何かが含まれていることが往々にしてあるのだ。
そのことを、理解しているのと理解していないのでは大違い。
嫌々やるのか、成長の機会として捉えるのか・・・今後の自分のレベルを大きく左右することにつながるのだ。
・・・とは言え私も、”こんなのできねーよ!!”と本気で思うことも、多々あるけど(苦笑)
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