部下育成と作業のバランス

過去にも何度か話しているかもしれないが、部下育成と部署全体の作業については、その部署の責任者として常にバランスを考える必要がある。

教育に作業は必須

作業とは仕事の一部。

会社には作業ができるから自分は仕事ができる!・・・と勘違いしている人が後を絶たない。

作業というのはあくまでも仕事の一部であって、その作業自体を作り出す人がいる。

他の部署と調整したり、上から命令されたり、会議・打ち合わせですり合わせをしたり・・・様々な種類の仕事を通ってきた最後の姿として作業というものがある。

もちろんその作業を行う人材がいなければ、最終利益には結びつかないから、作業ができる人が自慢したくなる気持ちもよく分かる。

事実、自分も昔はそういう考えだった。

どれだけ難し障害対応を行ったか、どれだけの障害対応を行ったか・・・こんなことを考えた時期もあった。

でもよくよく考えてみれば、その障害対応を行うには、その対象の機器を導入したり、導入を決定した人が私の前の世代にいたわけで、自分はその人達に準備してもらった環境を利用して、ただ作業を行っているというだけなのだ。

お膳立てされた中で作業をこなすのは、どこまで行ってもレベルとしては高くない。

作業の段階まで、落とし込む人は、やはりとてもすごい人なのだ。

※かと言って、作業者を軽視しまくる経営陣や上の方々の姿勢というのもあってはならないことなのだけど・・・

そんな中で、作業というのは、社会人としてのあらゆる知識や経験を積むのにはもってこいというのも事実だ。

何せ、仕事というのは大量の何かをこなす必要がある。

大量の何かというのは、作業が1番手っ取り早い。

作業を通して、ビジネスの基礎体力を作るのだ。

しかしそれには1つ問題がある。

作業には枠がある。

作業を部署全員でやると、どうしても作業のボリュームは全体的には行き渡らない。

だから作業は新人や新しく部署に入ってきた人材に振るのがセオリーだ。

逆に上司やベテランが作業やってもそれほど伸びしろはない。

むしろ上司やベテランは作業を作り出す側、調整する側としての立ち位置に移行していく必要がある。

そうやって、部下の育成と部署全体の完成度を仕上げていくことが上司やベテラン社員の役目になる。

つまり作業にしがみつく管理職やベテラン社員というのは、部下育成の妨げになることを強く認識しておく必要があるのだ。

大切なのは部署の成長。

決して部下育成の邪魔をしてまで管理職やベテラン社員は作業に忙殺されてはいけないのだ。

※作業をやると仕事やった感はあるのだけど・・・それでも考える必要があるのだ。