社内SEに求められる能力の変化

時代の流れで、我が社の経営者・上層部が社内SEに求めることも変化してきている。

私が社内SEになりたての頃は、パソコンを設置・設定したり、パソコンを修理したり、資料を作成したり・・・そんなことに終始していた。

そして、会社もそれを望んでいた。

時代が流れた現在、そんな依頼は二の次となり・・・

現在では問題・課題の解決を求められるようになっている

社内SEである私が、現在、経営者層・上層部から指示を受けるものの多くは、会社が抱える問題・課題を解決すること。

障害対応などの依頼はほとんどされない。

※そんなものは、上の人達の目に入らないところで解決しておく必要がある。それくらい、必要時間としては見られていない。

そして重要なことは、その問題・課題を解決するには、社内SEである私ひとりの力で解決・完結できるものは、全体の1割にも満たない。

そう・・・他の部署の方々の力が必要なものばかりなのだ。

確かに切り口はITだけど、本質は他部署の問題・課題ばかりのような・・・

今は問題・課題とひと口に言っても、ひとつひとつが複雑に絡み合っている。

これは営業、これは経理、これは総務・・・みたいな感じで単独部署で解決できる事項はほとんどない。

そして、これらの問題・課題には必ずITがワンセットだ。

切り口が営業なのか、経理なのか、総務なのか・・・よく分からないけど、ITが絡むからとりあえず社内SEに振っておこう・・・こんな風に経営者層・上層部の方々が思ってしまうのも、無理からぬことなのだろう。

ただ、こんな振られ方をした時に厄介なのは、本質的には総務が担当するべき案件なのに、社内SEが主導権を握ってプロジェクトを進めなくてはいけないということである。

このケースが1番厄介だ。

振られた私は成果を出さなくてはいけない。

ただ、本質が分からないから総務に動いてもらう必要がある。

でも総務は自分が振られた仕事ではないから、自主的には動かない。

上手く総務の人を動かして成果を出す・・・こんな他部署のマネージメントまで社内SEの仕事なの?と思ってしまうことがある。

一方、総務も面白くないだろう。

本質は自分達の仕事のはず・・・すぐに気付く。

でも直接振られたのはなぜか社内SE・・・上からの情報は社内SEに集まって、社内SEが自分達の領域にズカズカ入ってきて、あれこれお願い(指示?)をしていって後、よろしく・・・

面白いはずがない。

考え方

こんな状況に陥ってしまう社内SEの私が、最近、考えているのが次の2つ。

〇他部署と協力する仕事は様々ことを考えなくてはいけない。案件・課題を解決するだけでなく、人間まで見なくてはいけない。その経験・場数を踏むチャンスだと前向きにとらえること。

〇常に他部署の人が自分をどう思っているか、どう映っているかを考えること。

この2つは肝に銘じておきたい。

特に2つ目。

私は余裕がなくなると、周りが見えなくなる。

更に言えば、自分はこんなに頑張っているのに、担当部署のあんたがたは何で能動的に協力してくれないんだ・・・とイラついてしまうことがある。

しかし、相手の立場に立ってみれば、絶対に面白くない状況なのだ。

そのことを常に意識しておかないと、必ず上手く行かなくなる時がくる。

案件・課題は1つでは終わらない。

今後も、経営者層・上層部から次々おりてくるだろう。

その時、他部署の方々と上手くやって行くことは必須事項なのだ。

1度関係が悪くなってしまったら、修復するのに時間も労力も掛かる。

もしかするとどんなに頑張っても修復することはできないかもしれない。

そのことを強く肝に銘じ、他部署との関わりには常に細心の注意を払い、時間と労力を掛けることを意識する。

そこに力を使うことを何よりも優先する必要があるのだ。