自分達が通った道を素直に教える

新しいツールを導入する時、既にそのツールを利用している会社に視察に行くケースがある。

我が社が既に使っているツールを、これから本格的に使おうとしている会社が教えを請いに来た。

その時、どのように教えて上げればよいのだろうか・・・

聞く方は機能やメリットを聞きたがる

この場合、聞く方と言うのはとかく、今、御社で利用している機能は・・・とかメリットは・・・とかを聞きたがる。

もちろん聞かれたことには真摯に答える。

何せ、これから導入するのだ。

導入したからには何らかのメリットがあるべき。

それは、導入しようとするツールが大きければ大きいほど、コストも人材リソースも、指数関数的に増えるからだ。

特に、全社員で導入するとなるとそれは一大プロジェクト。

このツールを利用することは、一種の賭けと言ってもいい。

なぜなら、このツールを導入することで、それだけのコストや人材リソースを消費することは、失敗すれば会社にとって致命的なダメージを与えることに即つながる。

これから導入しようとしている会社が、不安に思って導入メリットを聞きまくるのは至極当然のことなのだと思う。

導入した後の姿も必要だが、導入過程の話しに価値がある

ビジネス本などを読みまくっているのに、成果の出ないビジネスパーソンがいる。

それには落とし穴があるからだ。

たいていのビジネス本は、自分はこうやって上手く行っています・・・という話しに終始する。

だから、それを真似ようとすると、たいていのビジネスパーソンは失敗する。

なぜなら、その本の著者は、その境地に辿りつくために、膨大な試行錯誤とPDCAを回すこと、そしてあらゆる失敗を経験した後にやっと辿り着いた境地だからだ。

結局上辺だけ真似ても、成果は出せないのだ。

その過程での失敗が、思いの外、必要になる。

そして、人は、何かにチャレンジするときに、なるべく痛い思いをせずに成果を出したい。

また、社員に簡単に広げたい。

でもそんなことは現実無理なのだ。

社員からは反発があり、腹落ちさせるまで途方もない道のりを歩ませることになる。

そのことは、始まる当初には自覚しておく必要がある。

こればっかりは、近道はないのだ。

ただ、このシステムは素晴らしいシステムだということは強調しておく必要がある。

なぜなら、このシステムの悪いところばかり言っていたら、さすがにシステムの導入に躊躇してしまう。

やはり、使えているメリットはあるわけで、その部分については、頑張ってトライを続けていれば、きっとメリットを享受できるレベルにはなるのだ。

そのことを強調しておく必要がある。

苦しい道を通ることは避けられないこと、そしてその道の先には光があることを示すこと・・・それが先行している会社のアドバイスできることなのだ。