畳み力

最近知った言葉、畳み力。

話しを広げることが上手い人がいる。

しかし、広げるだけ広げるだけでは、話しはまとまらない。

この広げた風呂敷を畳める人が必要で、そのスキルが畳み力だ。

畳み力の大切さ

我が社の経営陣は世の中のことを勉強している。

その結果、会議やプロジェクトの打ち合わせの時、毎回、風呂敷を広げるだけ広げる。

確かにそうすると、色々なアイディアが生まれて来る。

勉強している人間にしか出てこない発想だ。

ただここで問題が1点。

風呂敷を広げるのはある意味必要なことなんだけど、今度は誰がその風呂敷を畳むことになるのか・・・だ。

正直に言うと、今の経営陣に畳み力はない。

いや、経営陣に、畳み力は必要ないでしょ・・・と思う人もいるかもしれない。

ただ、それでも、じゃ~誰が畳むのというと、部下であったり、プロジェクト責任者になるわけだ。

そして、広げれば広げるほど、風呂敷を畳むことは難しくなる。

何せ、広げた風呂敷の1個1個を、調査して検証してプロジェクトや資料に落とし込むのは、大変な作業だからだ。

当然、矛盾も出て来る。

プロジェクトや資料作成には、期限というものがある。

風呂敷を広げてもいいのだが、広げ過ぎるとその期限に間に合わなくなる。

そして、この風呂敷を広げ過ぎると期限に間に合わなくなるという感覚が、今の経営陣にはないのだ。

自分達の持っている力量以上に広げられた風呂敷は、誰も畳めなくなり、プロジェクトの着地の期限を引き延ばすことになるのだ。

ブレーンストーミングと決める会議

会議には色々な種類がある。

経営陣はブレーンストーミングは得意だ。

※様々な意見や発想を忌憚なく発言する会議

しかし、経営陣がやっていることは毎回ブレーンストーミングなのだ。

ここで方針をきっちり決めたい・・・という時も、ブレーンストーミングの要領で、後付け後付けの発想が出てきて、それを付加させてしまう。

結局、方針は決まらず次回に持ち越し、もしくはプログラムで言えば仕様変更。

毎回毎回、風呂敷を広げるだけの会議をしていたら、そりゃ~担当者はプロジェクトを畳めなくなる。

そして、プロジェクトを着地させることができなくなる。

結果、プロジェクトは延期となる。

プロジェクト担当者の評価はダダ下がり。

経営陣はプロジェクト担当者を詰めるだけ詰める。

悪いのは、経営陣のはずなのに・・・

畳むことの大切さを理解して欲しい

経営陣は勉強しているから、日々進化している。

会議の度に新しい世界が見えて望むものだから、色々な視点でプロジェクトを評価して、何かを付加したくなる気持ちは分からないでもない。

でも、その行為は、ある意味、畳む責任のない人間しかできないものである。

畳むのは部下、自分は次々生まれるアイディアを押し付けるのみ・・・

それって、誰でもできることなんじゃないだろうか・・・

畳む責任をもし経営陣が持ったとしたら、次々と風呂敷を広げる行為はできないはずだ。

自分がプロジェクトを任されて、風呂敷を広げるだ広げられそうになったり、決めるべき会議の時にブレーンストーミングを始められたら、ストップを掛ける勇気を持たなければならない。

例え、その場で経営陣からの評価が下がったとしても・・・

それが、自分を守る手段になるのだ。