作業は君の仕事じゃないんじゃない?

先日、事業所に訪問してiPadの入替作業を行っていると、そこの所長に言われたひと言。

「そんな作業もまだやっているんだ?もう部下とかにやらせて、もっと違うことやったほうがいいんじゃない?」

確かに・・・

自分の貰っている給料や立場から言えば、この設定作業や障害作業というのは、どんどん若手、後進に譲って行くべきだということには一理ある。

ただ、なかなかそうも行かない事情があって・・・

人数に限りがある

以前も話したが、我が部署には複数名の社内SEがいるが、得意分野がそもそも違う。

そして、例えば、そのうち1人は、完全にパソコンやiPadの入替作業などには携われないほどの仕事を抱えている。

別のある者は、他の部署との兼務をしていたり・・・

大規模・中規模なパソコンやiPadの入替作業、もしくは障害対応などは、中間管理職の私も作業者として現場に入らなければいけないのが、現実なのである。

また、理由は実はそれだけではない。

情報システム部門のマネージメントにはITスキルの維持が必要

他の部署や職種がどうかは分からないが、少なくとも情報システム部門でマネージメントを発揮するためには、ある程度のITスキルは維持向上する必要がある。

そしてそのITスキルの維持向上には、やはり現場で作業することが、どうしても不可欠なのだ。

何せ、作業の難易度やどの程度の時間が掛かるのか、部下にその作業をこなすスキルがあるかを、確認するためには、自分自身がある程度経験しないと判断できない部分もある。

だから、作業というものをこなすことは、自分のマネージメントの一部でもあるのだ。

部下からの信頼を築くために・・・

また、最近ではもう1点、作業をすることが必要だと思うことがある。

それは、部下が作業でヒーヒー言っている時に、上司が、安全地帯でずーっと事務作業をやっていたら、それはそれで、信頼をなくすだろう。

いや、実はこの立場の事務作業というのは大変で、考えたり調整したり、新しいことを学んだり、判断したり・・・そんな、生産性の高い仕事をしているのだ。

でも部下の目から見ればそうは映らない。

きっと部下からは、こんなに自分が苦しんでいるのに、何で手伝ってくれないんだろう・・・という不信感につながる場合が多々ある。

事実私が部下の時はそうだった。

考えるということをしている時、傍から見ると、何にもしていないと思われている場合があるのだ。

そんなことを繰り返していると、いざ部下を動かす必要が出てきたとき、言うことを聞いてもらえなかったり、全力で取り組んでもらえなかったり・・・

それでは、マネージメントをする立場の人間としては駄目なのだ。

だから、部下がこの人のためなら・・・と思われるような行動を普段から取っておく必要がある。

作業や障害対応は、やはり仕事をしているように見える。

完全にこれらのことに時間を費やすことはできないが、ある程度時間を割いて、これらの作業に取り組むことが、部下からの信頼を得るためには必要最低限の税金なのだ。