年上の部下

事業所の所長を経験し、60歳を過ぎて嘱託となった方がいる。

組織上、私の部下だ。

当然、ITとは掛け離れた畑を歩んでこられた方だ。

会社には多大な貢献をしていただいた。

現在は、情報システム部門のある業務をこなしていただいているのだが・・・

ITリテラシーは低い

情報システム部門には属しているものの、こちらの方のITリテラシーは低い。

むしろ、会社の平均値を下回っているレベルだ。

ただ、この人は必要な存在で、情報システム部門に預けられた業務をこなすには、やはり事業所の所長を経験してきたこの人しかできないと思っている。

※ま~、そもそもがこの業務を、情報システム部門に預けること自体、どうかしていると思っているのだが・・・

ただ、ここでネックになってくるのが、この人が、ITリテラシーが低い故に、他部署との調整や、プロジェクトが発生した際、ITが絡むものだから、それをなかなか理解できないということがある。

どうしても分かってくれなくて、イライラしてしまうこともある。

致し方のないことだし、自分の器が小さいだけと、何度も反省するのだが・・・

問題は・・・

この業務は、ある一定の段階までは、1人でできるし、誰かと一緒に仕事を行う場合でも、電話で調整、メールで調整で済むものである。

ただ、ある一定のレベルを超えてきたとき、もしくはプロジェクト単位に規模が拡大した時、途端に対応できなくなってしまう。

それは、ITリテラシーが低いこと、また情報システム部門特有の考え方というか、こうやって進めれば、みんな分かってくれるはず・・・という、これまでの数多の経験からなんとなくこちらでは理解できる事象を、この方が理解できないということだ。

その業務に関しては、社内で1番時間も取れるし、本来であれば、そのプロジェクトの中心となった動きをしてほしいとのことなのだ。

何せこちらは、その業務に関わっているだけでは済まない。

他にいくつもの業務を抱えているのだから・・・

その方は、その業務しか行っていない。

その業務に集中することができるのだ。

だから、本来は、その業務に関しては、その人が全てを取り仕切って、こちらはただフォローするだけで、最小の時間のみで、済めばよいのだが・・・

結局、かなり時間を取られてしまうのだ、こちらの。

または、他の情報システム部門のメンバーの時間を。

どうしても、それが気になって、イライラしてしまうのだ・・・

どうすればよいのだろう?

それではどうすればよいのだろう・・・?

ま~、結局、以前にも少し話したが、人には得意、不得意というものがある。

今、その方がやってくださっていることは、これまでの経歴から見れば、苦手分野であることは間違いない。

そのため、上手くやってくれ・・・というのは、無理な話しなのだ。

ある程度時間を使って、その人が動いてくれる環境を、こちらが整えて上げなければいけない。

何せ、相手は嘱託だ。

給与も低い。

そんな給与でこんな大規模な仕事を押し付けられても・・・と思うのは無理からぬことなのだ。

加えて、もしその人がいなくなってしまったら、もしくはその人との関係性が悪化して、その人から協力を得られなくなってしまったら・・・

その業務は、他の情報システム部門のメンバーで吸収しなければならない。

その事態が発生したら、今の情報システム部門は、間違いなくドミノ倒しが始まる。

そうなったら、もう手遅れだ。

だから、この人は大切にしなくてはいけない。

自分の手駒として、年下の部下の私の言うことを、聞いてくれる関係性を、常に保っておく必要があるのだ。