会社が資格を持ち出してきた意図・・・

なぜ会社が今になって資格を持ち出してきたのか・・・

思い当たることがある。

会社の経営陣というのは、定性的なものより、定量的なものを好むのだ。

ま~、その気持ちも分からないでもない。

定量的な物差しとして・・・

会社を経営していると、様々なことを判断しなくてはいけない。

そして、その様々なことを判断するには、全てを数字にする必要がある。

その数字化されたものを物差しをもとに、経営判断をしていくのだ。

事業計画、資金繰り、人事・・・etc

とにかく全ての情報を数値化していく。

なぜなら、何かの現象を数字に置き換えることさえできれば、コントロールできる可能性が増すからだ。

だから、KPIなんて言葉が出て来る。

その数値化された情報を、経営陣は毎日毎日、毎日毎日確認し続ける。

結果として、経営陣は数字に強くなり、数字をもとに経営判断できる能力を身に付けることができる。

そして、日々数字に強くなるので、ますます数字を信じるようになり、部下には、全ての物事を数字で表すことを求めるようになる。

とにかく全ての事柄を、数字で説明することを求めるようになる。

そのため、数字で物事を語れる人間を、側近に置くようになる。

逆に数字で物事を語れない人間は、評価が低くなるのだ。

定性的な物差しが大嫌い・・・

逆に会社の経営陣は、定性的なものが大嫌いだ。

なぜか・・・?

それは、定性的なものは、曖昧だからだ。

根拠がない。

数字に置き換えられない。

だから自分達のコントロール下に置くことができない。

しかし定性的なものって必ず存在する

定性的とはどんなものか・・・

例えば、

”この人はいい人です”

・・・こんな情報。

これを数値化しろって言っても、絶対に無理だ。

だって、私からすればいい人度100点だとしても、違う人から見たら、30点かもしれない。

つまり、見る人によって、評価が変わる。

100点なら100点・・・とはならない。

定性的なものとは、曖昧なのだ。

じゃ~会社の中に、数値化できないいい人・・・この存在がいらないかといったら、絶対にそんなことはない。

会社の中に、”いい人”は絶対に必要だ。

そして、その”いい人”が集団となって、物事に取り組んだ時、組織というのはとんでもない力を発揮するのだ。

定量的と定性的、どっちも必要

つまり会社組織を運営する上では、定量的なことも定性的なことも、どっちも必要なのだ。

定量的なことで論理的な根拠を示す。

でも人はその根拠だけでは動かない。

数字の前に、心とか感情とか、そういったものが、最初に来る。

そして、心とか感情を通過して、ようやく定量的とか数字とか、根拠とか・・・そう言ったものが心に響く状態になるだ。

だから、数字だけで理詰めしてもうまく行かないし、感情論だけで突っ走っても上手く行かない。

結局、定量的も定性的もどっちも必要・・・ということになる。

ただ、経営陣は、定性的という曖昧な情報に時間を掛けているわけにはいかない。

経営判断を誤る可能性も出て来る。

だから、経営陣は数字のスペシャリストになる。

その代わり、数字では示せない、定性的な部分に関しては、経営陣未満の、部長・課長・係長・一般社員の役割となるのだ。

感情を交換して、物事に取り組む必要があるのだ。

資格は定量的な最たるもの

結局経営陣がなぜ、資格を求めだしたのか・・・

物差しが欲しかったのだ、分かり易い・・・

この人は頑張っている、この人は頑張っていない・・・そんな評価をする物差しは、事務や間接門の人間にはない。

だから作ったのだ、物差しを・・・

これからは、この物差しが評価の対象となる。

だから、取れる資格は取ってしまうに限る。

こんな資格を取らないというだけで、評価を下げている場合ではないのだ。