DX時代の人材の育て方⑩・・・圧倒的なスキルを身に付ける前の困難について

各部署・各事業所に配置されたIT担当者は、普通に行けば、他の一般社員の方よりも、ITに触れる機会が増す。

そのため、比較的ITスキルが向上する可能性が高い。

もちろん、これまでの積み重ねにより、ITスキルが向上するスピードも変わってくると思うが・・・

ただ、問題はITスキル向上が早かろうが遅かろうが、そんなことの前に、必ず通らなくてはいけない道について、知識を持ってもらうことが重要だ。

きっと通るであろう道

これまでの私の経験から、ITリテラシーを向上させる時には通らなければならない道がある。

ITリテラシーというと抽象的過ぎるので、ITツールの身に付け方で解説する。

ITツールを身に付けるには・・・

①ITツールに関する勉強をして知識を身に付ける

②身に付けた知識をもとに、ITツールを使いこなせるように頑張る

③自由自在に使いこなせるようになると、効率化など、目に見えた効果が自分で分かる

・・・できれば最初から③に行き着けばよいのだが、それは無理な話し。

必ず①と②で躓くことになる。

そして、この①と②については、かなり辛い思いをすることになる。

なぜ辛いのか・・・

なぜ辛い思いをするのか・・・色々な表現があると思うが、私が考える辛い理由は次の通り。

①の段階・・・

全く分からないものを知るための知識を頭に入れなくてはいけない。つまり暗記に当たるもの。自分にとって意味を見いだせないものの暗記は非常に辛い。

②の段階・・・

やっとの思いで暗記しても、何のために使うツールなのか、本当の意味で理解しないと、全く意味がない。

むしろ、使いこなせるようになるまでは、通常業務の邪魔になるITツール。この段階においても効果が全く見えない。

この①と②の段階を経ないと、③の効果を得られるところまでいかない。

トラウマになる可能性

①もしくは②で挫折してしまった場合、最悪トラウマになってしまうかもしれない。

自分にはITは向いていない。

やはり、ITは自分には無理なんだ

・・・挫折するとこんなネガティブな印象を植え付けられる。

そのため、①と②の段階を知識として与えておくこと、また③に到達すれば、劇的な効果が現れること、このことを最初の段階で強く認識させておく必要がある。

何とかして、この①と②の段階を突破させることが、情報システム部門の役割の第一歩なのだ。

明日は、この①と②の段階を突破させるために、情報システム部門が具体的にどんなフォローをすればよいのか、考えてみたい。