パソコン入替プロジェクト・・・旧パソコン撤去と新パソコン設置の激務

2022年1月13日

昨日紹介した通り、パソコン入替は5ステップ・・・

①元のパソコンからデータをバックアップ

②元のパソコンを撤去

③同じ場所に新しいパソコンを設置

④新しいパソコンの初期設定

⑤データを戻す

今日は②と③の内容・・・これははっきり言って、大変な作業だ。

そしてこの重労働はIT業者の新人君に9割やってもらった。

お願いすることになった経緯

IT業界に勤めてまもない彼は、特別なパソコンスキルはなかった。

そもそも自分からIT業界に入ろうと思ったわけではなく、成り行きで入ってしまったという方が正しい。

今どき、そんなIT業界の入り方なんてあるの?・・・という感じだった。

しかしITに関する経験もなく、現状、彼が勤めているIT企業でも彼にどんな仕事を任せればよいかを決めかねている・・・そんな情報をかぎつけ、それなら、彼の経験の場として今回のプロジェクトに入ってくれないか、できれば格安で・・・とお願いしたところ、快諾してくれた。

・・・そのIT企業が。

彼の意思は全くなし。

ただ、彼もIT企業に入ったはいいが、何の仕事もなく、毎日座学ばかりしていたことに焦りを感じていたようで、今回のプロジェクトはやる気を見せて、参画してくれた。

問題は、ITリテラシーの十分ではないIT業者の彼に、何をさせるかだ・・・

そして思いついたのが、パソコン入替の作業手順を因数分解し、面倒なところを彼に一手に引き受けてもらおうという作戦だった。

面倒でITスキル必要なし、ただし絶対にやらなくてはいけない作業・・・つまり冒頭に出てきた②と③の部分だ。

とてつもない労力を要するパソコン撤去、パソコン設置

パソコン入替経験者には分かっていただけると思うが、パソコンの撤去とパソコン設置って、言葉でいうほど、簡単な作業ではない。

理由としては・・・

〇デスクトップパソコンの本体が床に置いてあれば、机の下にもぐっての作業になる

〇キーボード、マウス、LAN、電源ケーブル・・・あらゆる配線が複雑に絡み合っている

〇配線が短かったり引っ掛かったりしていると、HUBやパソコンの電源を誤って抜いてしまう可能性もある

〇机がキレイな方ばかりとは限らない(作業中、紙の資料の雪崩が起きる机も・・・)

・・・etc

挙げていけばキリがないが、はっきり言って神経も使うし、重労働だし、できればこの工程はやりたくない。

そもそも、この作業を行うことで、間違いが許されないバックアップ取得や戻し、パソコン初期設定といった重要な作業の際の集中力を欠いてしまう可能性がある。

1台・2台だったら別に構わないが、500台となると・・・

そしてこの②と③の工程である、重労働のこの作業を、IT業者新人である彼に任せることにした。

心の中でどう思ったかは分からないが、彼は快く引き受けてくれた。

そして彼は、ほぼ全てのパソコン入替で、その②と③の工程をやり切ってくれたのである。

着ている服が、汚れまくるまで、糸がほつれるまで・・・

机の下にもぐり、パソコンを撤去し、パソコンを運び、パソコンを設置することを、ひたすら繰り返してくれたのだ。

彼のおかげで、私達社内SEの2人は、①、④、⑤の作業に集中することができた。

彼がいなければ、このプロジェクトは私達2人にとって、混迷を極めただろう。

それぐらい、彼の働きには助けられた。

IT業者の彼に掛け続けた言葉

彼には事あるごとに言葉を掛け続けた。

「本当に助かっている」

「君の役目は、私達社内SE2人の力を引き出すこと・・・その動きを君はできている」

「もし君がやっている作業を私達2人がやっていたら、今の時間(18時)には終わっていない」

・・・etc

とにかく彼には、どれだけあなたがこのプロジェクトに必要な人材かを、言い続けた。

彼も、私達の指示に頭にくることもあっただろうが、全てを飲み込んで、淡々と作業を行ってくれた。

どんな人材も、要は使いよう

ビジネスの現場では、こんな言葉が飛び交うことがある。

〇こいつは使えね~

〇いなくてもいい

〇代わりはいくらでもいる

〇やらせる仕事がない

・・・etc

この言葉を発する人の気持ち、実はよく分かる。

なんでこんなに言っているのに、こんなに自分は頑張っているのに、自分が思った通りに動いてくれないんだろう・・・そんな風に思うことなんてしょっちゅうだ。

ただ、自分の仕事を手伝ってくれる人で、何から何まで完璧にこなせるスーパーマンが来てくれることなど永久にない。

そして、どんな未熟な人材でも今の自分よりできないことがあったり、逆に今の自分よりできることがある。

自分の力の50%の力の人間が来たと思えば、それなりにやらせる仕事を考えられるようになる。

それには、仕事内容の因数分解が必要で、この場面のこの面倒な反復作業は誰でもできるから、彼にやらせよう・・・という考えが必要になる。

今回は、ITスキルの未熟な彼をどれだけ上手く動かせるか・・・そのことを考え続けた。

結果、彼に②と③の作業をやらせることを思いつき、私たち2人の社内SEの力を別のこと(①、④、⑤の作業)に使うことができた。

適切な言葉ではないかもしれないが、どんな人材も要は使いようなのだ。

この無茶なプロジェクトのおかげで、私も様々なことを考え、成長できているのだ。

明日は再び社内SEの私達2人の視点で、このプロジェクトを振り返る。