畳み力

経営陣の思い付きで次から次へとイベントが発生する。

そのイベントをこなすために、皆、日々奔走している。

そしてこれって評価されているのだろうか・・・そんな疑問すら覚えないほど、日々の作業に忙殺され、疑念を浮かべる余力もない。

そんな社員達を前に、私はどうにかできないか・・・と考える。

原因は・・・

最近、なぜみんながこんなに追い詰められているのか、分かるような気がしてきた。

それは、イベントの会議において、経営陣が話を膨らませることが得意で、畳むことを全くしない人物たちだからだ。

ま~、新しい発想を発信するとか、0から1を生み出すとか、言葉にすれば格好いいし、本人たちは気持ちがいいかもしれない。

しかし、発想したり生み出したりする仕事の最後には、必ず着地させる人間の存在が必要なのだ。

その人間達を、どこまでも馬鹿にしたり、過小評価しているのが、今の会社の経営陣というわけだ。

風呂敷を広げたら、きちんと畳む・・・ここまでがワンセット。

しかし、風呂敷を広げるだけ広げて、畳まない人間って世の中に入る。

その一例が我が社の経営陣なのだ。

畳み力

会議には膨らませる会議(ブレーンストーミング)と、結論を出す会議がある。

これらはどちらも必要で、この会議がセットになっていないと、はっきり言って無意味な会議となる。

ただ、最近の我が社は、どこまで膨らませてよくて、どこから畳み始めなければならないか・・・ということが決定的にできていない。

だから現場は混乱する。

なぜなら、話しを膨らませ続ける一方で、着地が見れない状況を常に作り出しているからだ。

それが、経営陣の影響か、上層部もそんな傾向になってきている。

おいおい、こんなに風呂敷広げて、誰がどうやって畳むんだよ・・・と突っ込みたくなる時がしょっちゅうだ。

正直私は、話しを膨らませるのは大の苦手。

そして常に意識しているのは、どうやって畳むのか、畳むにはどんな作業が必要で、どんな役割があって、それを誰に割り当てるのか・・・

それは意識し続けているから、だんだんできるようになってきた。

もちろんブレーンストーミングの会議にでも出るが、その会議になぜ出るかというと、会議の流れを分かっていた方が、話しを畳みやすいからに外ならない。

話を畳むことは努力すれば誰にでもできるが、今の我が社にこれができる人材はほぼいない。

だから当面、ここにポジショニングを取ることにする。

そうやって、こいつを会議に誘えば、本質を見極め、ここでここまで話し合っておかなければ・・・という人材として周知しておくことにする。

そうやって、会社に自分の居場所を作ることとする。

畳み力を持った人材が現れてきたら、その時はまた自分のポジショニングを考える。

そうやって、会社の情勢を見ながら、軽やかに会社の中を生き抜いていければいいな・・・と考える今日この頃である。