フリーアドレスの功罪

テレワーク、フリーアドレス、フレックスタイム・・・

世の中、色々な出勤体系、働き方に変化が起きている。

ご多分に漏れず我が社も、テレワークとフリーアドレスを取り入れたわけだが、これが揉める要因になる時がままある。

自分の席がある人とない人

テレワークを導入したり、フリーアドレスを導入すると、最後はこの問題にぶち当たる。

自分の席がある人と、ない人だ。

そして問題は、自分の席がない人だ。

一時的にフリーアドレスが激増した我が社も、結局感染リスクの低減から、席が実質固定の社員が増えて来た。

今では本部のほぼ前社員が自分の固定席を持っている。

それも経営陣が、感染リスクが落ち着いて来たから、フリーアドレスを解除するなどの、しっかりした説明がないまま、なあなあでなし崩し的に変化してきてしまった。

※因みにフリーアドレスを強烈に推し進めた経営陣は、しっかり自分の席を固定で持っていた。

社員としては最初から思うところはあったわけだが・・・

結果、このフリーアドレス解除の流れについてきていない社員のみが、自分の席がない・・・という事態に陥ってしまったわけだ。

みんなは自分の席がある、しかし自分は席がない・・・自分の席がある人間には分からない話だが、きっと

自分って会社から本当に必要とされているのか?

自分は会社から適当に扱われているのではないか?

自分っていなくてもいいんじゃないか?

そんな風に思う社員も出て来る。

しかもそんな社員は、自分の気持ちを適切な場面で適切なメンバーに上手く伝えることができない。

ま~その気持ちを上手く伝えられないために、自分の席がない・・・という状況に陥っているわけだが。

テレワーク、フリーアドレスという変化、そして元に戻すという変化、この流れに乗れなかった社員個人のせいと言えばそれまでだが、確かに経営陣は、弱い人間の気持ちを推しはかることがとてつもなく苦手なのだ。

電話問題

テレワーク、フリーアドレスを強烈に推し進める過程で、固定電話の数も劇的に減らした。

結果、今度は固定席を持っている社員の席にしか、電話は置かれなくなった。

フリーアドレスには、電話はほぼ置かれなかった。

そして、外線の電話を取るメンバーの負担が激増した。

最終的には、電話を取るメンバーの不満が噴出。

その不満を上手くぶちまけることができず、この件については、なぜか私に相談が上がった。

この件については以前のブログでも書いたが、この手の不満を上げる人は立場の弱い人、また自分の思いを実現する方法が分からず、言いやすい人にしか言わない・・・ということがほとんどだ。

本来は自分の力で、誰に言えば自分の構想が実現するか、誰と普段仲良くしておけばいいのか・・・そんなアンテナを立てずに毎日過ごしているからそうなる。

・・・とは言え、この外線電話を取ってくれる人達がいなければ、会社は致命的な打撃を受ける。

そしてそのことを分かっている人は、案外少ない。

もちろん経営陣もそんなこと、分かっていない。

分かろうともしない。

その姿勢は、電話を取る人達も感じている。

だから、この会社のために・・・という思いが小さくなって行くのだ。

テレワークにフリーアドレス・・・この功罪は、大きいが、この変化によって、会社全体が成長できる方向に持って行ければいいのだが、現実は甘くないのである。