年上の上司

私くらいの年齢になってくると、我が社でも年上の上司というものが存在する。

社内の至る所で、かつての自分の直属の上司が、自分の部下になる・・・そんな現象もあちこちで発生し始めた。

年上で部下の社員、年下で上司の社員、様々な立場が入り乱れているが、どんなスタンスで対応していけばよいのだろうか・・・

かつての上司が今の部下

幸いなのかは置いておいて、私は今のところこのようなシチュエーションの経験はない。

それは、自分がすごい部下を育てられていないのでは・・・という教育不足もあるだろうが、今のところかつての部下が今の上司・・・というシチュエーションはない。

ただ、私の部下は結構優秀。

このまま経験を積んでいけば、いずれ私を越して、出世していくだろう。

そうなった時、やはり巡り巡って私の上司になるケースだってあるわけだ。

この時、自分がどう思うか・・・

もし今この瞬間に、そのことが実現したとしたら、正直私は、やりづらさを感じると思う。

それは、自分自身のプライドの問題もある。

何でこれまでの部下が自分の上司になってしまうのか?

この社員に色々な指示をされて動くのか・・・

ま~、こんな嫉妬にもにた感情が出て来ると思う。

人間ができていないと言えばそれまでだが、色々教えてきた人間が、逆の立場になるのは、やはり若干の憤りを感じるだろう。

しかし逆に、部下の立場になって、この社員に仕えてみたい・・・とほんの少し思うこともある。

この部下が持っているITスキルにマネージメント能力が身に付いた姿を、見てみたいと思うからである。

マネージメント能力だけは、知識だけではどうにもならない。

もちろん知識も必要だが、それに加えて経験というものも必要になる。

ITスキルは基本加算方式・・・知識や経験を積み重ねれば、必ずスキルアップしていく。

しかしマネージメント能力は違う。間違った知識や経験を積み重ねれば、その部署にマイナスを発生させる。

これは、マネージメントを実際に行ってみて、成功・失敗の経験を積んで、また勉強・・・このPDCAを回していく必要があるのだ。

だから、マネージメントは難しい。

下手すれば、自分の部署を壊してしまう可能性だってあるのだから・・・

自分はマネージメントが上手くできているとは言えない。

ただ、今のところ自分の部署は壊れていない。

中間管理職として、この情報システム部門において、最低限のマネージメントは出来ているのだろう。

※決して自分の力を過信しているわけではない。部下の私に対する接し方も抜群だから、マネージメントができているつもりになっている・・・ということもある。

やりづらいのはお互い様

上司目線で話してはいるが、これは相手にとっても一緒のこと。

自分の上司が、自分の部下になってしまった立場の人間にとっても、それはそれでストレスだろう。

何せ、これまで色々教えてきてもらった存在だ。

そんな人間を、教えたり、指示したり、動かしたりしなくてはいけないのだから・・・

ただ、この会社にいる以上、そんな現象はこれからますます発生してくだろう。

上司は偉いのではなく、役割が違うだけ

ここで大切なのは、上司と言うのは偉いというわけではない。

ただ、部下との仕事の役割が違うのだ。

部下は上司の命令に従って動く。

それが、組織にとって1番利益をもたらす動きだからだ。

逆に上司は、部下と同じような作業ばかりしていてはいけない。

上司は、複数抱える部下を、どのように動かせば、この部署が効率的に動くかを、常に考える。

その中身は、心のケアーだったり、スキルアップの手助けだったり、社会人として成長する環境を整えたり・・・色々なマネージメントが発生する。

上司には、部下と同じような作業をやる時間は思いの外少ないのだ。

そしてそのことを、部下も理解している必要がある。

上司は何にもしない・・・つまり作業をしない。

そう思ってはいけない。

上司は考え、部下を効率的に動かすことが仕事・・・そのことを、上司・部下それぞれが理解し、部署として動いていくことが重要なのである。

上司は偉くて部下は偉くない・・・それは、本質ではないのだ。