社内SEが考える業者さんとの関係と思い

社内SEをやっていると、様々な業者さんと一緒に仕事をする機会が出て来る。
ネットワークや電話、アプリ、パソコン設置・・・
実際、社内SEのスキルや労力で解決できない問題は多い・・・というかほとんど。
ITで様々な問題・課題を解決する昨今では、この業者さんをどれだけ上手に利用できるかが社内SEにとって重要な役どころだ。
業者さんに仕事を依頼するときの流れは、
①会社が実現したいと思っているゴールを分かり易く業者さんに説明
②その情報をもとに業者さんが相談に乗ってくれたりや確認してくれたりして、提案をしてくれる
③業者さんから、費用はいくら掛かるか(見積)、納期はいつ頃になりそうかの連絡
④社内SEが社内で必要なメンバーに効果や費用、スケジュールの説明をし稟議作成
⑤稟議が通れば発注
⑥業者さんと協力して作業を進め、ゴールを目指す
簡単に言うとこんな流れ・・・
そしてこんな依頼や作業を一緒に繰り返していれば、自然、仲の良い業者さんも増えて来る。
仲の良い業者さんとの打ち合わせは楽しいし、一緒に作業しているときも大変だけど、充実感を味わえる。
ただ・・・
時として社内SEは業者さんと経営者層・上層部との板挟みに合うことがある。
そして最近その機会がどんどん増えて来ている。
問題は④もっと安く!もっと早く!と詰められる
見積・納期が分かった時、会社の経営者層・上層部の反応はいつも決まっている。
〇もっと安くできないのか?値引交渉しろ!
〇もっと早く納品できないのか?納期見直しを依頼しろ!
最近、この2つはほぼ毎回言われる(詰められる)。
実際のところ、上の方々が言うのも分かる気がする。
中身なんて正直全く理解していない上の人達にとって、唯一の指標となるのが、値段と納期。
とっても分かり易く、数値で確認できるその指標。
これを下げたり縮めたりするよう指摘するのは、誰でもできる。
それに値段については特に経営者層は敏感で、何でITの形の見えない構築作業に100万円掛かるんだ?50万円でやるよう値引交渉しろ!みたいな話しになる。
もちろん経営をやっている以上、支出を減らすことに敏感になるのは当然だ。
その気持ちは分かるつもり・・・
いや、それは嘘。経営なんかやったことないから本当の意味で理解はしていないけど。
ただ、業者さんへの過剰な値引交渉や納期交渉をすると、業者さんが失っていくもの。
それは・・・
業者さんにも心がある
私は業者さんへの値引交渉や納期交渉は基本的にしたくない。
それには理由がある。
それは、業者さんにも心があるということだ。
過剰な値引交渉や、納期交渉をするお客さんを相手にすると、業者さんはモチベーションは下がる。
もちろん、予めバッファーを持たせた見積や納期を提示してくれる業者さんもいるが、最初から頑張って値引や納期を記載した見積・計画を持ってくる業者さんもいる。
ギリギリに頑張って作ったその見積・納期を更に頑張れとお客さんに言われたら・・・
社内SEである私は、その業者さんとこれからも一緒に作業したり、相談に乗ってもらったり、ありとあらゆる顔を合わせて仕事するのだ。
その時に、私が業者さんのモチベーションを下げる存在だったら、親身になって相談に乗ってくれたり一緒に作業するときも上辺だけの仕事をされるかもしれない。
もちろん業者さんもプロなので、そんなこと顔に出さなだろうが、心のやる気はきっとそがれる。
それを私は恐れている。
特に⑥の一緒に作業するとき・・・この局面は様々なトラブルが発生する。
そして見積にない作業までお願いしなくてはいけない場合が出てくるのだ。
業者さんの能力を120%発揮してもらわなければならない場面が出て来るのだ。
その際、業者さんと良好な関係を築いておけば、
「大丈夫です、これくらやりますよ」
とか、
「こんな方法で行けるかもしれないからやってみますよ」
とか、やってくれるのだ。
このように、見積や納期の書いてある書面では、説明することができない力を、借りなくてはいけない場面が出て来るのだ。
もしその時に、「いや、見積にありませんから・・・」と業者さんに見捨てられたら社内SEはお仕舞。
そしてこのことは、経営者層や上層部には説明できない部分なのだ。
だって打ち合わせの時も、作業の際も、その人達は現場にいないのだから・・・
そして、その人達は何とかなってしまった後の姿しか見ていないのだから・・・
会社から指示される値引交渉や納期短縮・・・そして業者さんとの関係、これらを上手く折り合いをつけていくのも、社内SEの仕事だと強く感じている。
もちろん、ぼったくられているんじゃないの?と疑う気持ちもあるだろうが、社内SEからしたら、少々高くても、業者さんのモチベーションが高い状態で一緒に仕事してもらったほうが、こちらは安心だし、ひいては会社のためにもなるのだ。
そのことを会社の上の人達に分かって欲しい・・・けど、無理だろうな。
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