社内SEは頼られなくなったらおしまい

以前の記事でも書いたが、私はIT企業時代、散々な社会人デビューだった。

なんせ、IT企業に就職したのに、パソコンを全く分からなかったのだから・・・

当然、社会人をスタートしてからしばらくの間(数年間)は社内の人から頼られることなどほとんどなかった。

数年が過ぎ、徐々に社内の人に仕事で頼られるようになってきたが、頼られる場面というのは圧倒的に少なかった。

社内SEになって頼られる喜びを知る

それが現在の会社で社内SEとして勤めるようになってから、状況が一変した。

パソコン関連のことは何でも頼りにされるようになった。

それも、

「パソコン調子悪いんだけど見て~」

”とりあえず再起動してみるか・・・直った”

「直りました。」

「マジで!すげー!どうやったの~!」

なんていうこともしょっちゅうだった。

自分の力の30%しか使っていないのに、他の社員の方の望む結果を導き出し、感謝される。

・・・なんてコスパにいいポジションなんだ!

IT企業時代、自分の力100%、時には120%の力を出しても結果を出せず、周囲の失望・軽蔑の眼差しで見られ続けたことが、嘘のよう・・・いや、その時代があったからこそ、社内SEになって頼られる喜びを、人一倍知ることになったのだろう。

それから月日が流れ・・・

勘違いしないように気を付けないと・・・

IT化、デジタル化、DX・・・昨今の何でもITで解決しようとする流れの中で、どんな部署、どんな業務もITが前提となるツールがほとんどになってきた。

当然社内SEへの負荷も増える。

負荷が増えれば、余裕がなくなり、ついイライラした対応を取ってしまう。

せっかく私を頼ってきた人に対して・・・

はっきり言って、これは非常にまずい状況だ。

こんな対応を続けていると、いずれ頼りにされなくなってしまう。

人から頼りにされない恐怖を人一倍知っているはずなのに、余裕がなくなると、その基本的なことを忘れてしまう。

私を頼りにする人は、当然私に言えば、自分が抱えている問題を解決できると思っているから声を掛けてくれる。ただ、声を掛けて嫌な対応をされたとしたら、最初は我慢してくれるかもしれないが、いずれ、

「この人に助けてもらうくらいなら、別の人に声を掛けたほうが嫌な思いしなくて済むからそっちの方がいいや・・・」

そんな風に思われるだろう。

我が社の社内SEは究極の間接部門。

自分ひとりでは会社に利益をもたらせない。

他の部署、他の社員の役に立たなくなった時点で、社内SEは会社から用済みのお払い箱・・・

他の部署、他の社員の役に立ち続ける努力をしないと、自分の居場所を失ってしまう。

自分はそんな危ういポジションで仕事をしていることを、再認識する必要があるのだ。

社内SEである自分を中心に業務は回っている・・・と勘違いしないように。