部下の成長のためにこの案件は飲む

ま~、会社というのは当たり前だけど、株主のものだ。

ただ、そんなもんは建前で、多くの場合、会社というのは、経営陣のものだ。

だから、自分の部下の人事権だって、経営陣にあるわけだ。

私の一存でどうのこうのと決められる話しでもない。

ただ、今回のやり方にはいささか腹が立った。

何せ、今まで使えねー使えねーと言い続けた私の部下を、育てた私から奪いとるつもりなのだから。

そもそも・・・

そもそも、経営陣の仕事を手伝ってもよいとしたのは、私の部下の成長を見込んでだった。

経営陣のそばで仕事をすることにより、今よりもっと自分の部下は成長できる。

それに、資料作成程度であれば、それが得意な部下のことだからそれほどの負担も掛からず、こちらの仕事にもそれほど影響は出ないだろう。

私はそう考えた。

ま~結果的には大失敗だったわけだが・・・

それでも、一つの事業を任されるということは、それ相応の力もつくだろう。

だから部下は必ず成長する。

ただ問題は、そのせいで、私の部署、情報システム部門が苦境に立たされるということだ。

代わりはいない・・・

あんたの代わりなんていくらでもいる・・・

上司としては最低の発言・・・

こんなことは誰にも言わない。

・・・ところが、本当の意味で、今回ドナドナされそうな部下の代わりいないのだ。

こんなに素晴らしい部下を、半ばだまし討ちみたいな感じで強奪されてしまうのだ。

後のメンバーを見ても、後釜になれそうなメンバーはどこにもいない。

どうすればいい・・・

チーム力と育成に力を入れる

こうなったら、チーム力を発揮して、乗り切るしかない。

更に育成だ・・・

2月に入ってきた新人・・・

お手伝いレベルの仕事は十分と言っていいほどできるようになった。

本来はもう少し時間を掛けて育てたかったが、もうそんなことは言っていられない。

頼れる部下が持っている仕事を、この新人に引き継ぐのだ。

この新人が成長してくれれば、穴埋めを期待できる。

更に、この新人はそれほどチームの輪を乱すことはない。

チームワークを発揮できる環境が整ってきた。

ま~、いつまで強奪されるかは分からないが、当面の間は、チームワークと育成でこの窮地を乗り切るしかない。

見てなよ~、こっからの情報システム部門のチーム力を。

奪ってはいけない人員に手を付けた結果、より一層強固なチーム力で対抗する。

情報システム部門を、社内一のチーム力に育てるのだ・・・

結果として、それが経営陣の目的なのかもしれないが・・・

もうそんなことは関係ない。

自分達が成長するためだけに、この会社を利用し尽すのだ。